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【連載小説】AI業務活用 まずは使ってみよう編『AIと私のはじめて物語』 第1話「AIと私の小さなDX~提案書が作れない私~』

その日はじめて、私は仕事で
AIに助けてもらった。
それもほんの数秒のうちに、
驚くほど的確に。

後から思えば、
あれはちょっとした運命の出会い
だったのかもしれない。

それまでの私にとってのAIは、
存在と名前はなんとなく知っている程度で、
関係性はといえば
“もうずいぶん会っていない実家の犬”
くらい。




呼べば応えてくれるのかも、
よく分かっていない。

そんな私が、デスクトップに
かけがえのない相棒を
得ることになるなんて
この時は想像もしていなかった。

AI業務活用記事アイキャッチ画像


――全てのきっかけは、上司の一言だった。

「M崎さん、来週の商談で“デジタルフロー”の提案したいんだけど、 現状業務の整理と導入背景、



まとめておいてね」

O部長のその一言で、今日のタスクが決まった。
(はい出ました。お得意の“軽く言うけど重いやつ”。)

私の名前はM崎。クリエイトリンク社の営業企画チームに所属している。
営業に同行し、顧客の業務を可視化し、課題を整理し、提案資料を作るのが仕事だ。
ただ、今回のテーマはなかなかの難敵だ。 クリエイトリンク社は長年、 小売業のチラシ制作を請け負ってきた。
しかし最近、 出稿・校正・承認を一元管理できる“デジタルフロー”というシステムを自社開発した。

目的はシンプル。

•  手戻りが多い
•  担当者ごとにやり方違う
•  情報共有が迷子
•  属人化が限界突破

こうした“現場のあるある”を解消するためのシステムだ。

ただし、問題がある。
なんといっても、顧客の現場は長年アナログで回ってきた世界だ。
「便利そうだけど…」とは言ってくれる。
でも、そこで止まってしまう。

そして今、私の手元には “導入背景”の空白が広がっている。
(うーん…この空白、埋まる気がしない…)

「M崎先輩、Copilot使ってます?」

唐突に、隣の席の後輩・P嶋が声をかけてきた。
「デジタルフローの資料作るなら、AIにたたき台作らせると早いですよ」
「AIに…たたき台…? 私、AIとは“名前は知ってるけど距離感は実家の犬レベル”みたいな関係



なんだけど大丈夫?」
P嶋はケラケラ笑いながらWindowsのタスクバーを指差す。
「ここです。話しかければ返してくれますよ。 実家の犬より反応早いです」
(いや、うちの犬は呼んでも来ないタイプだから、それはそう。)

半信半疑でCopilotを開く。
「チラシ出稿業務の課題背景を説明して」

数秒後、AIが文章を返してきた。

“担当者ごとに作業手順が異なり、属人化が進んでいる”
“確認プロセスが複雑で、手戻りが発生しやすい”
“情報共有が分散しており、進行管理に時間がかかる”

(……え、私の脳内会議より整理されてるんだけど?)

勢いづいた私は、続けていくつか指示を入力してみる。
「もっと短く」
「柔らかく」
「箇条書きにして」

全部、数秒で返ってくる。
(これ…P嶋より優秀なんじゃ…? いや、比べる相手は犬だったか。)

気づけば、 デジタルフロー導入の“背景”がほぼ完成していた。
「AIって…普通に仕事できるじゃん… 私の“仕事できる風”が加速するやつ…」

肩の力が、少し抜けた。

つづく

次回:第2話「AIに聞くと意外と答えてくれる ~ 説明文が勝手に整っていく日 ~」
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