【考察】売場レイアウトに込められた仕掛け
『ホームセンター(HC)編』
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※本記事は全5回構成の一部です。
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このシリーズのねらい
リアル小売店において
利益を最大化するノウハウのひとつは、
「チェーンストア展開」であることは
異論がないと思います。
チェーンストアは店舗を大量に出店して
商品を大量に販売することで
売上規模の拡大を行っています。
言い換えれば、
同じタイプの店舗=規格が標準化した
店舗を
作らなければ
大量出店はできません。
標準化とは
例外をできるだけ最小化することで、
建物の構造、工法、設備、仕上げ、
デザイン等の設計を基本セットとし
パターンを作ることです。
(注文建売住宅でいう
「標準仕様」と同じです)
本シリーズは、
店舗の売場レイアウトを通じて
業界を読み取らんとする試みです。
売場レイアウト設計はお客様にとっては
スムーズなお買物・サービスが
提供される場であり、
店舗にとっては合理的な品揃え、販売、
営業、運搬、移動が行える場として
設備、装置などを配置する行為です。
また、レイアウトは
利用可能な売場面積の
制約の上に構築されています。
それでは、以上を踏まえた上で、
個々の業態について
考察していきましょう。

住まいと暮らしのトータルサポート
ホームセンター(HC)では、4つの志向に基づいてサービス・商品を提供しています。
A.「専門志向」…一般消費者にはDIYをもとにした住関連品を総合的な品揃え、
建築業者、農家に向けた業務用の需要も取り込んでいます。
また、専門知識を持つ従業員による接客やプロ職人向けコーナーに責任者を配置しています。
B.「バラエティ志向」…多種多様な商品をカテゴリーに分けて豊富に品揃え。GMS(総合スーパー)やDgs(ドラッグストア)が効率面から切り捨てている品群もカバーしています。
(例:ペットの販売。ペットフードやペット用品等にも力を入れることで差別化をしています。)
C.「ディスカウント志向」…家庭生活用品全般は低価格で販売します。(Dgsや家電量販店と競合)
D.「広域集客志向」…車での買い物を前提にした郊外のロードサイドへの出店が一般的です。
大きな荷物を車に積み込みやすくするため、大きな平面駐車場を持ちます。
標準的なレイアウトのホームセンターにおいて取り扱われる多種多様な商品群は、
以下の14カテゴリーに分けることができます。
| カテゴリー分類 | 商品例 | 売場エリア(後述) |
|---|---|---|
| ①家具インテリア・ 収納用品 | 家具・収納、寝具、クッションカバーリング、 ウインドカバーリング、フロアーカバーリング等 | 1 |
| ②家電・照明 | キッチン・ホーム家電、シーズン家電、ライティング等 | 1 |
| ③生活用品・キッチン用品・日用消耗品 | 生活用品・キッチン用品・日用消耗品 | 1 |
| ④ヘルスケア・ ベビー・介護用品 | ベビー用品、介護用品、ヘルスケア用品等 | 1 |
| ⑤飲料・食品・酒 | グロサリー、酒類が主流 | 1 |
| ⑥文房具・事務用品 | 事務用品、店舗用品、パソコン用品、オフィス家具、OA消耗品等 | 1 |
| ⑦ペット用品 | 生体(犬・猫・鑑賞魚・小動物)、フード、用品等 | 1 |
| ⑧園芸・農業資材 | 鉢花、観葉植物、苗・庭木、ガーデン手入用品等、 ビニールハウス資材、農業機械・工具、農業用育成資材等 | 3 |
| ⑨アウトドア | キャンプ用品など | 1 |
| ⑩カー・自転車・レジャー | メンテナンス用品、カスタム用品、アクセサリー類、タイヤ等、サイクル、サイクルパーツ等 | 1・2 |
| ⑪収納庫 物置・ エクステリア | 屋外園芸資材、ガーデン資材、物置・ガーデン設備等 | 3 |
| ⑫木材・建材・金物・工具 | DIY用品、建築金物、電動工具、作業工具、水道用品、 電設資材、作業服、床壁材料、塗料、接着剤、補修用品等 | 1・2・3 |
| ⑬作業用品・ ワークウェア・運搬用品 | 作業用品・ワークウェア・運搬用品 | 1 |
| ⑭住宅設備・電設・ 水道用品 | キッチン、バス、洗面化粧台、トイレ、給湯器、建具、 内・外装材、増改築、リフォーム等 | 1・2 |
続いては売場のレイアウトについて見ていきましょう。
HCは他の業態とは性質が大きく異なる商品も扱うことから、独自性の高い設計となっています。
これが基本系です。もちろん基本からの応用はあります(応用こそ各企業の工夫や強みです!)。
ホームセンターの店舗レイアウトは、来店客が目的のカテゴリー売場に直行でき、
迷うことなく商品を選び、また専門志向の商品は有資格者の説明が受けられるように
工夫がされています。商品カテゴリーの特性により、以下の3つのエリアに分かれます。
エリア1:屋内の売場…来店客が「見やすい・選びやすい・買いやすい」と感じる、
空調と照明がある普通の売場。
エリア2:倉庫型の売場…屋根はあるが壁や空調がない吹き抜けの半屋外の売場。
エリア3:屋外の売場…屋根も壁もない野ざらしの売り場。屋外レジを置くことが多い。
倉庫型の売場や屋外の売場は、重量やかさのある商品が多いという問題を解消するための、
搬入動線や保管スペースを確保しやすくする陳列工夫です。
性格バランス
A:ショートタイムショッピング ⇔ ロングタイムショッピング
B:ワンウェイコントロール ⇔ 回遊性
C:手厚い接客 ⇔ セルフサービス傾向
D:中食指向 ⇔ 内食指向
内食は家庭で食材を調理して食べること。
中食は外で調理された食品を持ち帰って食べること。
E:小売吸引力 (商圏狭い ⇔ 広い)
考察
ホームセンターの品揃えのうち、建築・施工等に従事しているプロフェッショナルユーザー(職人)
向け以外の一般消費者向けの商品は、スーパーマーケットやドラッグストアの商品とは違い、
「なければないで済ませられる商品」などと言われたりもします。
最近の新規出店の状況を見ると、ホームセンターを核店舗とし、スーパーマーケットを併設した
NSC(小型のショッピングセンター)を出店することで、相乗効果で集客力を強化する取り組みが
多いようです。レイアウトは倉庫型の売場を標準としています。
また、HCにおいてはプロの職人向け売場(専門志向の売場)と一般消費者向けの売場は分離しており、プロ職人の利用客は短時間で目的の買物ができるよう工夫しています。
その他の利用客は広い売場を長時間回遊してもらえるよう、照明とインテリア、園芸と石材といったように、関連商品を隣接配置しています。
建築・施工に携わるプロユーザーにとっては日常的に利用される専門店である一方、一般消費者にとっては必要なときに訪れる「目的来店型」の店という二面性を持っているのがHC業態です。こうした来店動機の違いは、スーパーマーケットを併設したNSCによる集客補完の動きにも表れており、広い商圏から来店客を引きつけるホームセンターの集客力の源泉といえるでしょう。
小売の勘ドコロ vol.003: 『小売吸引力』
ホームセンターは、広い商圏から来店客を集める「小売吸引力」の強い業態です。DIY用品や園芸資材、工具など専門性の高い商品を豊富に揃えることで、遠方からでも来店する動機を生み出しています。日常的に近くの店を利用する傾向が強いコンビニなどとは対照的に、ホームセンターは「必要なものを求めて足を運ぶ店」として機能しています。こうした広域集客型の性格が、郊外立地や大型駐車場を備えた店舗形態とも結びついています。
次回は、SM(スーパーマーケット)業態の店舗レイアウトについて見ていきます。第4回へ➡
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『コンビニエンスストア(CVS)編』 -はじめに- リアル小売店において
利益を最大化するノウハウのひとつは、「チェーンストア展開」であることは
異論がないと思います。チェーンストアは店舗…

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