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小売業 新入社員&指導者の必修科目!発注業務の基本と実践 第1回『発注業務を支える組織体制と役割分担』

発注業務記事第1回アイキャッチ

※本記事は全4回構成の連載の一部です
(順次公開予定)。
※本シリーズは、株式会社アール・アイ・シー刊
「食品商業 2026年4月号」掲載の
弊社執筆記事をもとに再編集したものです。

はじめに :発注業務を成り立たせる“仕組み”について知る

発注業務は、日々の売場運営を支える基幹業務の一つです。商品の過不足は売上やロスに直結するため、その重要性は現場の誰もが理解しているところでしょう。
一方で、発注業務は日々繰り返し行われる業務であるがゆえに、個々の作業に意識が向きやすく、その全体像や仕組みが十分に整理されないまま運用されているケースも見受けられます。

発注は単独で完結する業務ではなく、本部・店舗・物流(センター)・仕入先といった複数の機能が連携することで成り立っています。こうした構造を理解しないまま個別の作業だけを行うと、「なぜその数量になるのか」「どの情報をもとに判断すべきか」といった判断の拠り所が見えにくくなりがちです。

また、新入社員にとってはもちろんのこと、指導する立場においても、発注業務を体系的に説明することは決して容易ではありません。日々の運用の中で暗黙知として扱われている部分が多く、結果として理解のばらつきが生じやすい領域でもあります。

本シリーズでは、食品スーパーにおける発注業務について、基本的な考え方から実務上のポイントまでを段階的に整理していきます。第1回では、その前提となる全体構造と役割分担を確認し、発注業務をどのような枠組みの中で捉えるべきかを明らかにします。

以降の回では、具体的な業務フローや部門ごとの考え方、実務上のポイントへと展開していきますが、その理解を深めるためにも、最初に基礎となる構造を把握することが不可欠です。

まずは図を用いて、発注業務の全体像を整理していきます。

店舗と本部の基本的な組織

チェーンストア業態では、店舗のオペレーションを標準化・単純化し、従業員の負荷軽減を図る為各種の専門システムを装備しています。
図表①は、前提になる基本知識(組織・本社・店舗の関係)と業務の関連図です。

店舗の体制は、図からわかるように本社の商品部の運営方針から直接的な影響を受けます。
生鮮3部門「農産」「水産」「畜産」と生鮮に近い「デリカ」「日配」、そして「グロサリー」「日用品・雑貨」がSM業態の標準的な組織構成です。
本社は、店舗の従業員が安全に・正確に・早く・楽に作業できる環境をサポートします。

店舗と本部の業務区分

店舗と本社それぞれにおいて、発注に関わる業務にはどのようなものがあり、両者はどのような形で結び付いているのでしょうか。図表②を見ていきましょう。


店舗が発注管理や在庫管理、補充・陳列といった売場運営に直結する業務を担う一方で、本社では商品管理や販売管理、仕入・買掛、情報システムといった管理・支援機能を担っています。こうした役割分担のもと、両者の緊密な連携によって成り立っているのが発注業務であるといえます。
発注データは、本部商品部が管理する各種マスターに連携して稼働しており、商品部側と店舗の52週販売計画や棚割計画に基づき売場管理を行います。
現場での発注作業では「HHT(ハンディターミナル)」や「タブレットPC(またはGOT)」、スマートフォン等の機器が活用されています(近年は自動発注の導入も進んでいます)。

ここまで、発注業務を支える基本的な仕組みと役割分担について整理してきました。これらを踏まえることで、日々の発注業務をどのような枠組みの中で捉えるべきかが見えてきます。

次回は、各部門の実際の発注業務がどのような方法で行われているのか、店舗・本部・センターの連携も含めて具体的に見ていきます(近日公開予定)。

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