2026.03 DX-MOP 開設しました!

押さえておきたい基本ルール 売場とバックヤードの棚割 第2回「売場の棚割の維持管理」

売場とBYの棚割第2回 アイキャッチ

※本記事は全4回構成の連載の一部です
シリーズ一覧はこちら
※本シリーズは、株式会社アール・アイ・シー刊
「食品商業 2026年5月号」掲載の
弊社執筆記事をもとに再編集したものです。

第1回では、売場(固定ロケーション)とバックヤード(フリーロケーション)における棚割の基本と、それぞれのメリットについて整理しました。
今回は、売場の棚割の維持管理について詳しく見ていきましょう。

売場の棚割のポイント

売場の棚割は、来店客にとって商品を探しやすく、選びやすい環境をつくると同時に、従業員にとっては商品管理の効率化・省力化につながります。

売場の棚割は、スーパーマーケットにおける基本である「セルフサービス方式」を支える仕組みです。来店客が自ら商品を選んで手に取り、比較し、購入するためには、売場に一定のルールが必要になってきます。

その前提となるのが、次の2つの要件です。

  • 商品の陳列場所が決められていること
    棚割では、どの棚のどの位置にどの商品を配置するかを定め、「棚札(“戸籍”を示すラベル)」を設置します(図表2参照)。これにより、来店客は求めている商品をスムーズに見つけることができ、探す時間の短縮につながります。また、従業員にとっても、商品整理や発注作業の効率化が図られます。

  • 商品の売価が分かること
    棚札には売価が明示されており、お客様はその場で価格を確認することができます。これにより、購入判断がしやすくなるだけでなく、従業員の目線では、売価に関するお問い合わせ対応の負担も軽減されます。

棚札のしくみ

商品の売価を表す棚札には、大きく分けて「来店客向け情報」と「従業員向け情報」の2種類の情報が記載されています。その内訳を詳しくみていきましょう。

▼図表2:棚札に表記されている情報

  • 棚札の来店客向け情報
    a:「品名」
    b:「ユニットプライス表示」…100gあたり、など一定単位あたりでの価格のこと。地方自治体の条例で表示が必要な対象商品が指定されています。
    c:「売価」…国税庁からは総額表示(税込売価)が義務付けられていますが、本体売価は必須ではありません。
  • 棚札の従業員向け情報
    a:「品名」
    d:「JANコード(数字)」…品名と併せて、商品整理や補充を行うときに使用します。詳しくは、下の図表3をご覧ください。
    e:「JANバーコード」…HHT等のバーコードデータを読み取る携帯端末のために表示されています。発注やPOS情報照会で使用します。

図表3 棚札にJANコード(数字)の表記が必要な理由

例えば、ボールペンの替え芯のようにパッケージがよく似た商品の補充や整理を行う場合、品名だけでなく「棚札のJANコード(数字)」と「商品に印刷されたJAN数字」を照合して正しい棚割 (置き場所)に引き当てます。

※その他、企業や店舗の運用方針に基づき、「入り数」「発注点」「賞味期限」「廃番」などの情報が棚札に記載される場合があります。

適正在庫につながる陳列数の管理

商品は、売れ行きに応じて陳列数量を調整することがポイントです。
売れ筋商品の場合は、品切れを防止するため、棚の奥行きいっぱいまで商品を陳列し、可能であればフェイス数を拡大します。陳列数量を増やすことで、品切れの防止に加え、バックヤードへの「取りに行く」「運ぶ」「探す」といった作業が減り、補充作業の効率化にもつながります。
対して通常の売れ行きの商品では、フェイス数や陳列数量を適切に絞り、過剰な在庫を持たないようにします。
このように、陳列数量の調整は、売場の見せ方だけでなく、在庫管理や作業効率にも直結する重要な要素だといえます。

先入れ先出し

入荷日の古い商品から順に販売できるよう、先に入ってきた商品を優先して売場に陳列します。これを「先入れ先出し」といい、売場の品質・鮮度を維持するうえで不可欠な基本ルールです。また、賞味期限の確認や清掃といった作業がしやすくなり、従業員の負担軽減にもつながります。

前進立体陳列

棚の前面の商品が売れて減ってきた際に、後方にある商品を前面に出して陳列し直すことを「前進立体陳列」といいます。来店客から見た視認性が高まり、売場に迫力が生まれるとともに、少ない在庫量でも豊富感を演出することができます。

棚と在庫管理の基本

第1回の「固定ロケーション」についての箇所でも触れましたが、品切れが発生しても、他の商品で棚を埋めてはいけません。
また、棚に入りきらない商品を、隣の商品の棚の後方に押し込むことも避けましょう。
見栄えを考慮すると、品薄感を出さないために、とにかく棚を商品で埋めたくなりますが、こうした対応は本来の在庫状況や欠品を見えにくくし、発注精度や補充精度の低下につながります。
したがってあふれた在庫は無理に陳列せず、バックヤードに引き上げます。
これが在庫管理の基本ルールです。

売場を適切な状態に保つことで、欠品や過剰在庫といった問題が“見える化”され、改善につなげることができます。
小売店の従業員にとって陳列は日常的な作業ですが、ルーティンとして見過ごされがちな部分でもあります。いま一度見直すことで、売場の訴求性や作業の質を高めるきっかけになるのではないでしょうか。

次回は「バックヤードの棚割」に焦点を当て、その設計がどのような考え方で成り立っているのかを整理していきます。第3回を読む

  • URLをコピーしました!
目次