まずは「来てもらう」ための販促 小売業の販売促進活動 第1回「店舗外販促活動(アウトストアプロモーション)の手法①」

※本記事は全4回構成の連載の一部です
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※本シリーズは、株式会社アール・アイ・シー刊「食品商業 2026年10月号」掲載の
弊社執筆記事をもとに再編集したものです。
はじめに

小売業界(スーパーマーケット等)を取り巻く環境は、少子高齢化による市場の縮小、原材料価格や物流費の高騰、人手不足の深刻化などにより、ますます厳しさを増しています。
そのような状況の中で、単に商品を陳列するだけでは継続的な売上拡大は難しくなっており、お客様に「来店したい」「購入したい」と感じていただくための販売促進活動の重要性が高まっています。
販売促進は、売上向上だけでなく、顧客満足度の向上や店舗のファンづくり、地域のお客様との関係強化にもつながる重要な経営施策です。
特にスーパーマーケットでは、季節催事、ポイント施策、売場演出、クロスMD、デジタル販促など、多様な手法を組み合わせることで、お客様の購買行動に大きな影響を与えることができます。
また、近年ではPOSデータや会員データなどの活用により、経験や勘に頼った販促から、データに基づいた効果的な販促へ進化しています。
限られた経営資源の中で最大限の成果を上げるためには、販売促進の役割や手法を正しく理解し、実践していくことが不可欠です。
販売促進活動には大きく分けてお客様に「お店へ行こう」と思ってもらうための「店舗外販売促進活動(アウトストアプロモーション)」と、店舗内でお客様の購買意欲を高めるために行う「店舗内販売促進活動(インストアプロモーション)」の2つがあり、本シリーズではその両方について解説していきます。
チラシによる販売促進
食品スーパーなどの小売店において、従来から用いられている代表的な販売促進の手法として「紙チラシ」があります。
新聞折込チラシは地域密着型(店舗周辺)や店舗のポイント付与顧客が多く住んでいる地域などをターゲットに配布するのが効果的です。
特に地域密着の食品スーパーなどは今でもこの手法がメインとなっています。また、近年では新聞発行部数の減少に伴いチラシ配布方法もポスティング(住宅、オフィスへ直接投函)、街頭配布(手渡し)、DM(郵送)、設備(店舗等)などにも拡大しターゲットに合わせて、地域密着(ポスティング・折込)や即時性(街頭)など手法を使い分けるのが効果的とされています。
小売業の紙チラシ制作 一連の流れ
◆企画・商品選定(販売企画・商品部)
チラシ制作は「目的・ターゲット・配布方法」を明確化する為に販売企画部や商品部等で年間・半期の計画、工程を討議し「企画フェーズ」「方向性」を決定します。
販売企画部から商品部へ出稿依頼(いつ、何を出すか)を提出し、商品部はそれを受けてバイヤーが特売品の選定、掲載価格の決定、原稿(情報)の準備をします。
(※商品部の特売商品の商談から掲載商品の決定の詳細については別シリーズで取り扱う予定ですので、ここでは割愛します。)
◆ラフ・制作(制作担当・制作、印刷会社)
商品部の原稿に基づいて制作担当と製作会社でチラシのレイアウト(ラフ案)を作成し掲載商品の写真撮影や商品素材の確保などを相互にやり取りします。
◆校正・修正
チラシのラフ案(ゲラ刷り)に基づいて印刷前にデザインや文字の配置、誤字脱字を制作担当・商品部と製作会社が相互にチェックし最終的な印刷(校了)に進むために必須の工程です。

チラシを届ける-さまざまな配布方法-
チラシは、配布方法によってアプローチできる層やエリア、コストなどが異なります。
店舗の商圏やターゲットに合わせて、適した方法を選ぶことが重要です。
■ポスティング
戸建てやマンションなどのポストへ、チラシを直接投函する方法です。新聞を購読していない世帯にも届けられるため、若年層を含めた幅広い世帯へのアプローチが可能です。配布するエリアや建物を指定できることも特徴です。配布は自社で行うこともできますが、広い範囲へ短期間で配布したい場合は、専門業者へ依頼するという方式あります。
■新聞折込
新聞にチラシを折り込んで配布する方法です。配布するエリアや日付を指定でき、新聞を購読する世帯に効率よく届けられます。特に中高年層への訴求に適している一方、新聞を購読していない世帯には届きにくいため、若年層へのアプローチには限界があります。
■街頭配布
駅前や商業施設の周辺などで、通行人にチラシを直接手渡す方法です。ターゲットとなる人にその場で届けられるほか、サンプルなどを組み合わせて配布できることも特徴です。ただし、実施場所によっては道路使用許可などが必要となる場合があり、屋外での実施は天候の影響も受けます。
■ダイレクトメール(DM)
顧客リストなどをもとに、特定の顧客へチラシや案内を郵送する方法です。対象を絞って情報を届けられるため、既存顧客などへのピンポイントな訴求に向いている一方、印刷・郵送などのコストがかかるほか、あらかじめ顧客リストを整備しておく必要もあります。
■フリーペーパー・地域紙への同梱・挟み込み
定期購読されているフリーペーパーや地域情報誌などに、チラシを同梱・挟み込んで配布する方法です。媒体ごとに読者層や配布エリアがある程度決まっているため、地域やターゲットを絞ったアプローチが可能ですが、媒体の発行日や配布エリアに左右される点には注意が必要です。

紙のチラシは、地域のお客様に店舗や商品の情報を届け、来店を促すための代表的な販売促進手法です。
チラシを制作する際には、伝えたい情報を整理するだけでなく、ターゲットや商圏に合わせて配布方法を選ぶことも重要です。ポスティングや新聞折込、DMなど、それぞれに特徴があるため、目的や届けたいお客様に応じて使い分けることで、より効果的な販促につなげることができます。
他方で、店舗外で行う販売促進活動にはチラシ以外にもさまざまなものがありますので、次回で解説します。
第2回は、SNSやテレビ・ラジオ、屋外広告など、
チラシ以外のアウトストアプロモーションについて見ていきます
(※近日公開予定)。
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