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小売業 新入社員と指導者の必修科目!発注業務の基本と実践 最終回『部門別発注(生鮮・デリカ)と後工程』

発注業務記事最終回アイキャチ

※本記事は全4回構成の連載の一部です
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※本シリーズは、株式会社アール・アイ・シー刊
「食品商業 2026年4月号」掲載の
弊社執筆記事をもとに再編集したものです。

これまでの回では、発注業務の基本的な考え方や部門ごとの特性、発注を支える機器や仕組みについて解説してきました。最終回となる今回は、生鮮部門やデリカ等に焦点を当てるほか、発注業務を終えた後に必要になる工程についても見ていきます。発注から売場づくり、販売に至るまでの流れを一体として捉え、業務全体の理解を深めていきましょう。

生鮮3部門の場合

生鮮部門では、「JANコードが付与されている商品」と「JANコードが無い商品」が混在しています。
また、商品の性質に応じて「インストア加工商品」と「アウトパック商品」に大別される点も特徴です。JANコードが無い商品の管理については、店舗で独自にバーコードを発行して管理する「インストアJANコード(※1)」や「NON-PLU(※2)」といった形で運用されるケースが中心です。発注の仕方としては、第3回で触れた日配部門と同様にEOBを使用する方法のほか、発注台帳に在庫数や販売数を記録し、それをもとにHHTやPDAで発注を行う方式も多く見られます。

※1 インストアJAN(インストアコード)とは、自社内のみで使用できるバーコード体系です。原則として、その店舗または店舗グループ内のみで利用します。13桁のコードの中で、先頭2桁を「02」または「20〜29」にして利用します。残りの10桁は店側で自由に設定可能で、商品コードや価格情報等を埋め込めます。末尾1桁はチェックデジットで、自社POSでのみ有効な形式となります。

※2 NON-PLUとは、インストアJANの中で、10桁のコードの中に「売価情報」を埋め込んだコード体系です、例を挙げると、ヘッダー02を使用したインストアコードの場合、
02 AAAAA  D  BBBB C/D
   自社商品コード C/D 売価情報 C/D
のように自由に設定して使用します。

  • 生鮮部門のインストア加工食品
    原体(※)で仕入れた商品を店内で加工し、パック詰め・計量値付けを行って販売する形態です。例えば精肉では、「牛枝肉」などを仕入れ、「もも肉」「ミスジ」「ランプ」「すね肉」といった部位に切り分けて商品化します。発注は、自社商品コードを用いて発注台帳やEOB、タブレット端末などで行うのが一般的です。また、市場商品については、産地や仲買人からの提案をインターネット経由で確認し、締め時間までに必要数量を発注する方式も広がっています。

原体とは、加工や小分けを行う前の原材料の状態を指します。カット前の青果、精肉のブロック肉、丸ごと仕入れた鮮魚などがこれにあたります。生鮮品は賞味期限が短く、鮮度や衛生管理が重要となるため、この状態で仕入れ、店舗で加工・管理されるケースが一般的です。

  • 生鮮部門のアウトパック商品
    店外で加工・製造された商品を仕入れて販売する形態を指します。発注は、社内の生鮮加工PC(プロセスセンター)や委託業者の加工センターに対して、各店舗から販売商品コードを用いて行います。プロセスセンターでは、店舗ごとの発注数量に応じて原材料を加工し、販売用の商品を製造します。さらに、店舗別の販売パック数に合わせてパック詰めを行い、計量値付け機により1パックごとに値付けを実施します。製造された商品は、製造原価ベースで商品振替を行ったうえで各店舗へ出荷されます。

※一部の商品については、取引先がJANコードを取得し、値付けまで行ったアウトパック商品として商品部に提案されるケースもあります。この場合、店舗側では日配商品と同様に、JANコードによる発注が行われます。

デリカ(惣菜)部門の場合

 上記の生鮮3部門と同じく、自社商品コードを使用した「インストアJAN」および「NONーPLU」での運用が主体です。「インストア加工商品」と「アウトパック商品」に大別される点も共通しています。

  • デリカ(惣菜)部門のインストア加工商品
    店内加工を前提とするため、原材料は原体の状態で取引先に発注し、要冷センターを経由して店舗へ納品されます。入荷した原体は、速やかに冷蔵庫(冷凍庫)で保管され、その後、店内で加工・調理を行い、計量値付け機によりパックして販売されます。
    この際、販売商品を基準に必要な原材料を算出する必要があり、販売コードと原材料コード(原体や梱包材など)の紐付けをあらかじめ整理しておくことが重要となります。
    例えば、寿司や弁当などの製品では、販売商品ごとに必要な原材料のレシピを設定し、予定販売数(発注数)に応じて必要な原材料数量を算出する仕組みが求められます(エクセル等で管理しているケースも見られます)。

幕の内弁当の場合(具体例で考える)
原材料への分解を伴う発注について、具体的な商品を例にとって考えてみましょう。
幕の内弁当は、「容器トレー1個」、「バラン1枚」、「お米○g」、「サバ1切れ」、「漬物」、「卵」といった様々な原材料に分解することができます。さらに、米や漬物、容器などは他の複数の弁当でも共通して使用されるため、商品ごとに分解した原材料を、今度は原材料単位で集計し直して発注する必要があります。こうした作業は手作業で行う場合、一定の経験や習熟が求められます。特に、発注時点での店舗内在庫を正確に把握していないと、過剰在庫につながりやすいため注意が必要です。

  • デリカ(惣菜)部門のアウトパック商品
    生鮮3部門と同様に、社内の生鮮加工PC(プロセスセンター)や取引先に対して、各店舗から販売商品コードで発注を行います。プロセスセンターでは、店舗ごとの製品発注数に応じて原材料を加工し、販売商品を製造します。さらに、店舗単位で必要な販売パック数に合わせてパック詰めを行い、計量値付け機により1パックごとに値付けを実施します。製造された商品は、品質や規格を一定に保った状態で各店舗へ供給され、納品時には製造原価ベースで商品振替(※)を行い出荷されます。

商品振替とは、社内の加工センターなどから商品を受け入れる際に、外部からの仕入ではなく、社内間の在庫移動として処理する仕組みです。これにより、仕入処理の簡略化や在庫管理の効率化が図られ、現場の運用負担の軽減にもつながります。

発注業務の「後工程」

発注業務を終えた後、実際に入荷した商品を確認する作業では、発注数と納品数の照合に加え、外装状態の確認による品質管理も欠かせません。納品時点での破損や汚損は、そのまま見切りや廃棄につながる可能性があるため、入荷時のチェックを必ず行うようにしましょう。

また、個々の作業の習熟度を高めながら、より広い視点で考えることも重要です。 
店舗運営の基本は、「Plan⇒Do⇒Check⇒Action」のサイクルを回し続けることにあると言えます。

このように発注を独立した作業としてではなく、前後の業務とあわせて一連の流れとして捉えることが、より良い店舗づくりに繋がります。

おわりに

本シリーズでは、主に新入社員の方々に向けて「発注業務」全体の基本的な考え方と、部門特性による発注方式の違いについて解説してきました。同時に、指導にあたる立場の方にとっても、教えるべき知識・ポイントを整理する一助となることを願っています。

発注業務は非常に奥が深く、売上動向や在庫状況、天候などさまざまな要因が絡み合うため、経験を積んだ担当者であっても判断に迷う場面が少なくありません。重要なのは、結果を真摯に受け止め、その都度改善につなげていくことです。うまくいかなかった場合には、知見のある上司や同僚、関係するメンバーに相談しながら、適切な対応策を検討していくことが大切です。

経験の浅深にかかわらず、試行錯誤の積み重ねは確実に次の判断に活かされていきます。日々の業務に積極的に取り組みながら、理解を深め、着実に実務力を高めていきましょう。

本シリーズ全体の内容をより深く知りたい方は、
下記リンクより雑誌掲載版の記事全文をご覧いただけますので、
あわせてご活用ください。

『食品商業』2026年4月号掲載版記事 全文はこちら(PDF形式 3.1MB)
※こちらのPDF内の紙面画像は、アール・アイ・シー社の許諾の下で掲載しています。
掲載内容の無断転載・複製等はご遠慮ください。

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