消費者との接点をつくるには?小売業の販売促進活動 第2回「店舗外販促活動(アウトストアプロモーション)の手法②」

※本記事は全4回構成の連載の一部です
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※本シリーズは、株式会社アール・アイ・シー刊「食品商業 2026年10月号」掲載の
弊社執筆記事をもとに再編集したものです。
第1回では、店舗外販売促進の代表的な手法であるチラシについて、制作の流れや配布方法を紹介しました。
店舗外でお客様に情報を届ける方法は、紙チラシだけではありません。デジタル・SNSやテレビ・ラジオ、雑誌、交通広告、イベントなど、それぞれの特徴を理解し、目的やターゲットに合わせて適切な方法を選択することが重要です。
今回は、紙チラシ以外の主なアウトストアプロモーションについて解説します。
デジタル・SNSの活用

スマートフォンの普及により、SNSや公式アプリなどを活用したデジタル販促は、店舗外でお客様に情報を届ける重要な手段となっています。ターゲットの属性や興味・関心に応じた情報発信ができるほか、配信する情報やタイミングを工夫することで、認知拡大から来店促進、リピーターの獲得まで、幅広い目的に活用できます。
■ SNS広告・インフルエンサー
Instagram、X、LINEなどのSNSを活用し、画像や動画などを通じて商品や店舗の魅力を伝える方法です。SNS広告では、ターゲットを絞った情報配信が可能です。また、インフルエンサーによる商品紹介などを通じて、フォロワーの関心を喚起し、認知拡大や購買意欲の向上につなげることもできます。キャンペーン・コラボレーションなどの施策と組み合わせることで、さらなる情報の拡散も期待できます。
■公式アプリ・デジタルチラシ
店舗や企業の公式アプリを活用することで、特売情報やクーポン、各種キャンペーン情報などをお客様のスマートフォンに直接届けることができます。プッシュ通知を利用すれば、タイムリーな情報発信も可能です。
デジタルチラシもその一つで、紙のチラシに掲載していた情報をスマートフォンなどから閲覧できるようにするものです。消費者は場所や時間を問わず特売情報などを確認でき、企業側には印刷・配布コストの削減や、掲載内容を迅速に更新できるといったメリットがあります。また、紙媒体では届きにくかった層への情報提供にも活用できます。
■顧客との継続的な関係づくり
近年では、公式アプリを来店を促すためのツールとしてだけではなく、顧客との継続的な関係を築くためのプラットフォームとして活用する動きも見られます。
特売情報やポイントプログラム、来店スタンプなど、これまで紙のチラシやポイントカードなどが担ってきた役割をデジタル化してアプリに集約した上で、購買履歴やエリアに応じた情報提供などと組み合わせることで、顧客一人ひとりの購買体験を最適化し、ロイヤルカスタマー(※)の獲得につなげることが可能になります。
※ロイヤルカスタマーとは、特定の店舗や企業に対して愛着や信頼を持ち、継続的に利用・購入してくれる顧客のこと。安定した売上への貢献だけでなく、口コミによる新たな顧客の獲得なども期待できます。

さまざまなアウトストアプロモーションの手法
マスメディア(テレビ・ラジオ)や新聞・雑誌広告
テレビやラジオは、幅広い層に情報を届け、店舗や商品の認知度を高めるのに適したメディアです。また、放送エリアを生かして地域内の視聴者・聴取者にピンポイントで情報を届けることもでき、地域密着型の店舗にとっても有効な販促手段となります。
また、新聞・雑誌広告は、媒体ごとの特性を生かした情報発信が可能です。特に、シニア層など特定の年代層への訴求を図る際にも効果的です。
広告を出稿するだけでなく、テレビ番組などの撮影に協力することも、販促につながる取り組みの一つです。例えば、関西のテレビ局では、スーパーマーケットで買い物中のお客様に声をかけ、購入した食材を使ってシェフが即興で料理を振る舞う企画や、クイズ番組の撮影場所として店舗の売場を取り上げる企画などが見られます。
こうした番組への協力は、店舗がメディアに登場する機会を生み、地域の視聴者に店舗の強みや魅力を知ってもらうきっかけにもなります。メディアとの接点を生かして認知度を高め、新たな来店につなげることも、有効な販売促進の手段の一つです。
雑誌
食材や料理、日々の暮らしをテーマとした雑誌は、読者の関心を引き出し、具体的な購買行動を促す媒体として活用できます。例えば、旬の食材を使ったレシピや季節の行事に合わせたメニューを紹介することで、読者が日々の買い物で必要な食材を思い浮かべやすくなり、購買意欲を高める効果が期待できます。
書店などで販売されている生活情報雑誌のほか、スーパーマーケットの店頭に設置し、来店客に無料で持ち帰ってもらうインストア誌(設置型フリーペーパー)も販促に活用されています。インストア誌は、店舗を訪れたお客様に直接情報を届けられる点が特徴です。レシピや食材の活用法、季節の特集などを通じて商品への関心を高め、売場での購買や再来店につなげることができます。
交通広告・屋外広告
交通広告には、電車内のドア上や中吊りポスター、駅構内のデジタルサイネージなどがあります。通勤・通学で電車を利用する現役世代や学生に接触しやすく、こうした層に向けた店舗や商品の認知度向上に適しているといえます。また、消費者が日常的に利用する路線や駅で繰り返しアプローチを行えるという点から、店舗・商品の認知を向上に高い効果が期待できます。
屋外広告には、駅前や繁華街の大型ビジョン、ビルの屋上看板のほか、建物の壁面広告、道路沿いの看板、街頭のデジタルサイネージなどがあります。歩行者や車の利用者の目に自然と触れ、店舗や商品の印象を残すことで、認知の定着や来店のきっかけにつながる効果が期待できます。
イベント開催・サンプリング
街頭イベントや展示会などのイベント開催は、体験型の企画や展示を通じて、企業の商品・サービスへの関心を高める方法です。来場者と直接交流する機会にもなり、商品やブランドへの理解を深め、継続的な関係づくりにつなげることができます。
一方、サンプリングは、駅前や商業施設、オフィス街などで試供品やノベルティを配布し、実際に商品を試してもらう方法です。広告による視覚的な情報だけでなく商品の特徴や魅力を体験してもらうことで、認知の拡大や購入のきっかけづくりにつながります。

ここまで見てきたように、アウトストアプロモーションには、チラシやSNS、マスメディア、交通広告・屋外広告、イベント開催など、さまざまな手法があります。特売情報を届けて来店を促すものから、商品の魅力を伝えて購買意欲を高めるものまで、その役割は多岐にわたります。実施にあたっては、届けたいターゲット層や販促の目的に加え、広告費や実施にかかるコストも考慮し、効果的な方法を選ぶことが大切です。
第3回は、セールやPOP、試食販売など、店舗内で購買を促す「インストアプロモーション」について解説します
(※近日公開予定)。
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